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「最新・経済地理学」(アナリー・サクセニアン 著、星野岳穂+本山康之 監訳)

最新・経済地理学 グローバル経済と地域の優位性」は、「シリコンバレー なぜ変わり続けるのか(上)(下)」で紹介した「シリコンバレー―なぜ変わり続けるのか〈上〉」、「シリコンバレー―なぜ変わり続けるのか〈下〉」以来、シリコンバレーの状況を伝える最近の図書として注目に値すべきものである。

著者は、昨年秋、名著として復刊した「現代の二都物語 なぜシリコンバレーは復活し、 ボストン・ルート128は沈んだか」の著者、アナリー・サクセニアン氏である。

シリコンバレーでは、経済を移民に対してもオープンにすることで、そこで学び、働いた人たちが、グローバルに広がり、さらに今なおシリコンバレーとつながりを持ちながら、シリコンバレーの経済に貢献しているという。

ギリシャ神話では、イアソンとアルゴ船隊員(ノーツ)が、王が持つ金の羊毛を盗み出したという話があるらしいが、著書では、金の羊毛を求めてイアソンとともに大海に漕ぎ出した古のギリシャ人冒険家たちにたとえ、技術や技能の本場とはかけ離れた場所で起業し、ハイリスク・ハイリターンな仕事をしている起業家たちを、「アルゴノーツ」と呼んでいる。

アルゴノーツたちは、非常に高い教育を受け、母国経済に大きな影響を及ぼす。そして、文化や言語などの障害を乗り越え、複雑な取引関係や協力関係を構築するという能力を発揮する。スリーコムの会長で、かつてパーム・コンピューティングのCEOだったエリック・ベンハモは、次のように言っている。

インターネットが発達しても、なくならなかったことがある。そしてそれこそ、シリコンバレーの真価を示している。少しずれた分野の者どうし、わずかに違う視点を持つ者どうしの偶然の出会いや会話から生まれる機会は、かけがえがない。どんな高性能なビデオ会議システムを使っても、対面しているときの熱意や興奮は伝わらない。画期的なアイデアとは、えてして情熱的な人々の間で弾む会話から生まれるものだ。すす千枚府も離れていれば、そんな出会いは頻繁には起こらないし、直接顔をあわせるときのような激しいスパークも起こらない


日本の過去の栄光は、大企業に偏重した資本・労働市場がなしえたものだった。そのため、エリートは、海外に留学したり働きに行こうとする者は少なかった。留学しても、卒業後、すぐに帰国してしまったり、あるいは、シリコンバレーでキャリアを気付いても、帰国後、キャリアの評価さえ得られないということすらある。だから、日本で勝負したほうが得だと考えるエリート達は、シリコンバレーに滞留せず、日本で働き始める。

しかし、この閉塞感漂う日本には、これからますますイノベーションが必要である。日本人は、個人をみれば、独創力のカタマリのような人もいる。しかし、社会や地域でみれば、イノベーションをさらに誘発させるために、シリコンバレーから学ぶべきことはたくさんある。

そんな問題意識を持っているならば、本書から得るものは大きいだろう。読みながら、久しぶりに、シリコンバレーの青空を思い出してしまった。

実践度:☆☆
理論度:☆☆☆
難易度:☆☆☆




【関連図書】
現代の二都物語 なぜシリコンバレーは復活し、 ボストン・ルート128は沈んだか



【シリコンバレー関連本】


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  • 実践度:☆☆☆☆☆
    実践的で役立ち度:大
  • 理論度:☆☆☆☆☆
    理論的な色合い:大
  • 難易度:☆☆☆☆☆
    文章や内容の難易度:高
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